日本でも青森県から沖縄県まで広く分布し、日本人にもなじみ深い魔除けのひとつが、石敢當です。高さ1m程の石柱や石板に「石敢当」「泰山石敢当」あるいは、「鎮山海」などと刻まれています。中には、壁に埋め込まれたものや中国式にレンガでできたものなどあります。文字のほかに八卦、鬼面、獅子面などを刻み、魔除けの力を強めようとしたものもあり、バリエーションも豊富。
石敢當は、風水の魔除けとして使われる以前から、護符として立てられていたようです。悪霊や邪気を迎えうつとされています。邪気や悪鬼、悪霊などは直線的にしかすすめないとされていて、T字路の正面突き当たりにある家は、まともに邪気などがぶつかることになります。それらの凶運をもたらすものを家の中に入れないようにするために石敢當を置くのです。
置かれている場所としては、門前や道路の突き当たりの他、四つ角、家門の脇などです。その他にも村の入り口や橋のたもとなどにも見られます。